今回は少し堅い話です。
総務省統計局の調査によれば、大学卒業の新入社員が3年以内に辞める比率は、宿泊業・飲食サービス業では48.5%、他の産業に比べると業種別順位は第2位で非常に高い比率です。

最近ユニクロとワタミが流行り言葉でいう「ブラック企業」ではないのかとマスコミで報道されていますが、上記のデータと大学新卒学生(とくに男子学生)の応募がほとんどないという事実からみれば、ホスピタリティ産業の一翼を担うホテル・旅館も、若い世代にとっては魅力のない産業であり、「ブラック企業」と見なされているのではと危惧しています。
長いあいだホテル業界でお世話になった私にとって淋しいというか悲しいというか切ない思いでいっぱいです。

また、株式会社シェイクが、4月入社の大学・大学院卒業の新入社員に対して、半年後の9月に行ったアンケート調査によると、この段階で辞めたいと思っている人の割合はすでに43.8%に達しています。そして3年後までには退職をしたいと具体的に考えている人は38.9%で先ほどの総務省統計局の調査とほぼ合致しています。

さらに、入社半年でモチベーションが下がったと答えたグループに対し、その理由を質問すると(複数回答可)上位三つの理由は次の通りです。

1. 仕事を通じて成長しているという実感が持てない。・・・・・51.9%
2. やりたい仕事ができない。・・・・・・・・・・・・・・・・48.1%
3. 上司の指示や指導方法に不満がある。・・・・・・・・・・・40.4%

このように理由が分かっているのですから、企業側はこれらの問題に対しどのように対処していくかを具体的に検討し行動に移すことは容易なはずです。

今どきの若者は忍耐力が無いとか、コミュニケーション力が無いとか、想像力に欠けているとか、いろいろと指摘されていますが、企業側から見ても一般的に見ても確かにその通りです。
しかし、家庭での躾けは甘くなり、学校教育もお客様扱い、IT社会となりコミュニケーションの方法も
激変してしまった「ゆとり環境」のなかで彼らは育ってきました。

ですから、このような若手社員を人財として育てていくには、受け入れ側の、とくに現場の直属上司を中心としたマネジャー側も、その変化を受けて自分たちの意識や教育・指導の方法も変えていかなければなりません。

しかし、利益優先の現状では、現場のマネジャーが部下を指導育成する時間的な余裕がないため、実際にはなかなかできないとの声もよく聞かれますが、なかなか変えようとしない、またはどのように変えてよいか分からないというマネジャー側に問題があることも多いのではないでしょうか?

かの有名なドラッカーも「変化は脅威でなく、機会としてとらえなければならない」と述べています。
また、「種の起源」のチャールス・ダーウィンも「最も強い者が生き残るではなく、最も賢い者が生き延びるわけでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」と言っています。

変化の激しい社会では、慣れたやり方に安住するのではなく、変化に対応し、そして変化し続けることを当たり前のこととして受け入れることが大切です。

2013年4月19日
株式会社JAPAN・SIQ協会
代表取締役 金子 順一