サービススタッフの感性について、私ども講師が気付いたお話しです。
朝食ビュッフェ中、ドリンクコーナーでコーヒーがこぼれ水溜りになっていたそうです。多くの海外からのお客様は気にもせず、水溜りの上を歩き、靴の裏に着いたコーヒーがあちらこちらにと足跡を付けていました。

気になっていると、スタッフが雑巾をもって床を拭き始めたのですが、水溜りになったところだけをきれいに拭いて直ぐに次の仕事へ移動してしまいました。

少しすると、食事が終わった席の片付けを先ほどのスタッフが忙しそうにしていました。ところが、テーブルの上の食べカスが床にぽろぽろとこぼされているではありませんか。確かに、テーブルは拭かれカス一つなくなっていますが、これでは汚れを取ったことにはなりませんよね。

これらの動作には、そのスタッフの感性が関わってきます。確かにこのスタッフは一生懸命なのです。しかし、行動に感性がないのです。“もったいない”行動です。

コーヒーの水溜りを拭いた後は、その周りにある足跡もついでに拭きとっておく。テーブルを拭くときはテーブルの上の食べカスを寄せて布巾で包み込み捨てるようにする。そうすると、汚れが広がらず、一つ一つが美しく現状復帰できるのです。

物が沢山置かれ、告知張り紙がされたお店のレジ回りにしても、駅のポスターの数年かかった何重もの貼り後にしても、美容室の掃除用具入れの半開きになった扉、飲食店の厨房入口の手あかで汚れた暖簾、ケーキショップの器具が乱雑に置かれたオープンキッチン、全て使用するスタッフの方々で常にお客さま視点をもって、お客さまの目の届くところには汚いものを置かない感性が必要です。その場が見慣れてくると人は気にならなく改善点が見えなくなってしまうのですね。

サービススタッフがいつもお客さま視点をもつことはとても大切ですが、それと同時に感性を磨くこともとても重要なこととも言えます。

次回は「感性の磨き方」についてです。

2013年12月13日
株式会社JAPAN・SIQ協会
米谷徳恵